自分が管理しているWebサイトのレスポンスがめちゃくちゃ低下してきてたので、どうにかレスポンスを改善できないかと軽く考えたことをメモ。
今回はCakePHPにて構築しているWebサイトのレスポンス改善を考えた。
基本的にサイトレスポンスを改善するためにはキャッシュの有効化が効果絶大であるが、データベースを使用しているサイトの場合、テーブルに対するインデックスの張り方を見直すだけで劇的にレスポンスが改善される場合もある。
以前あるサイトのデータベーの設計を見直していた際にインデックスの張り忘れを見つけ、その場で貼り付けてあげただけでレスポンスが10倍以上改善されたことがあった。まぁ、だからといって闇雲にインデックスを張りまくればいいのかという問題でもないので注意。メリットデメリットをしっかりと理解した上で、ビッグトラフィックに耐えうる堅固なシステムの構築を心がけなければならない。
この度メスを入れるサイトは、以前DB設計見直しによるレスポンス改善をすでに施していたので、今回はキャッシュを用いた高速化を試みた。
これまでも部分的にキャッシュを導入してはいたが、PVが極端に少ないページであるとか、ほぼ利用されていない機能周りへの試験的な導入であり、期待するような大幅な改善にはあまり貢献していなかった。ではなぜいままで一番導入が必要であると分かりきっている部分への導入を躊躇していたかというと、自分のミスによってサイトが長時間停止することが怖かったからである。チキンである。しかし今回はそうもいっていられないのである。SEO対策的な観点からしてもサイトのレスポンスが遅いということはかなりのマイナス要素なのである。それもそのはず、検索エンジンの顧客満足度を向上させるためにはお客様を待たせるようなノロいサイトを排除したほうが確実にユーザーエクスペリエンスの質は高まるからである。
ということで今回、どうにもこうにも重たくなってしまったサイトのトップページをキャッシュ導入により改善してみようと考えたのである。
まず考えたアプローチは二つ
1, 一度誰かがアクセスしたページで発行されたクエリの結果を数分間保持し、有効期限内であればそのキャッシュを見に行く
2, 毎分欲しいクエリ結果のキャッシュを生成するバッチを作成し、フロント側ではそのキャッシュを見に行けば良いような設計に変える
以前試験的に施した対策は1, のアプローチであった。しかし今回はトップページという膨大なトラフィックがあるページに対しての施策なので、ユーザーのアクセスをトリガーにしたキャッシュ生成処理はUX的に非常によろしくない気がしたため、2, のバッチ作成というアプローチをとった。
なぜよろしくないと感じたか。それはユーザーがアクセスしてきた際にキャッシュを生成させると、ビューのレンダリングまでに少なからず待ち時間が発生してしまうからである。その待ち時間がブラウザのレンダリング処理に起因するものであれば仕方ないと言えそうであるが、サーバーサイドでの待機時間が発生しているというのはあまりにもよろしくない。SQLの発行にしてもCGIの処理にしても、サーバー側での処理は極力短時間で済ませ、ユーザーの通信待機時間を如何に減らせるかが、サイトコンテンツの質云々よりもとにかく大事なことなのは間違いない。せっかくキャッシュを導入したのに、1, のアプローチだったが故に途中で離脱してしまうユーザーが発生してしまっては元も子もないのである。
という上記の理由から今回2, のアプローチでレスポンス改善を試みたが、結論から言うとサイトレスポンスはかなり改善された。
もともとそのページで発行されていたクエリ自体はそこまで重くもなく複雑でもなかったが、毎秒何回も何回も発行されると話は別である。実際、アクセス過多でDBサーバーに対して相当な負荷がかかっており、サイトレスポンスの低下を招いていたのである。
それに対し、今回は今までの処理と比較すると、バッチが代表して毎分クエリを発行しその結果をキャッシュ、ユーザーはそれを読み取りに良くだけというシンプルな構造になったため、DBサーバーとの通信回数も大幅に減り、より高速なレンダリングが可能となった。
現時点においては現状のパフォーマンスで非常に満足しているが、今後もサイトのチューニングに関しては積極的に取り組んでいこうと考えている。
今回の取り組みに加え、レスポンス改善に繋がる有効なアプローチを更に追及し、日々の業務においても活かせるよう試行錯誤を重ねていこうと思う。